都市や地域を、歴史的に蓄積された空間や制度の上に多層的な働きかけが重なり、社会の変化に応じて再編・更新され続ける存在として捉え、時間と空間の異なるスケールを横断しながら、趣ある景観の保全と創出に向けた方策を探求する。
1. 近代都市形成史:都市基盤整備と風致形成
近代以降の都市形成過程を対象に、近世以前から継承されてきた歴史的風致と、新たに導入された技術文明の関係に着目し、その統合・調和を志向した計画思想、制度的枠組み、景観評価、ならびに計画技術と制度運用の方法を明らかにする。特に、河川・公園・道路などの都市基盤整備と風致施策がいかに連動し、都市空間および景観の形成に影響を与えてきたのかを、歴史資料・文献分析や景観の評価・分析を通して明らかにする。これらの検討を踏まえて、現代における景観の保全および創出に資する都市のあり方を探求する。
2. 風土形成を育む地域計画論
自然と人の営み、制度や関係性が歴史的に重なり合うことで形成される地域固有の人間環境を、計画の対象として捉え、空間の整備とそれを支える事業・制度設計、関係者間の協議や運営の仕組みを探求する。文化観光や景観政策の文脈において、地域資源の循環的な活用や分野横断的な連携を通じ、コミュニティと協働しながら地域固有の価値が継承・更新されていくプロセスを検討する。事業の進め方や運営のあり方、空間構造の分析、フィールドワークによる実践的検討を通して、風土形成を育む地域計画のあり方を探求する。